インタビュアー:

いまマンディはオフショア開発に力を入れていると聞きます。そもそもオフショアを始めようと思われたきっかけは何だったのですか?

福田:

そもそものきっかけは、中国人の妻をもったことです。システム開発はずっとやってきていたので、中国でのオフショア開発というのが2000年頃からたくさん行われていたことは知っていました。
ずっと自分とは無関係だと思っていたのですが、思い切って中国のシステム会社と関係をもってみることにしました。

インタビュアー:

どのようにして会社を探されたのですか?

福田:

人づてです。中国人の横につながるネットワーク力はすごいものがあり、「こういう会社を知らないか」と聞くと、友達の友達の友達・・・・・を経てたどり着くことができてしまうのです。こうして、広州の会社と知り合いました。

インタビュアー:

外国の会社と仕事をするとき、最初はどんな印象でした?

福田:

正直言って怖かったです。自分みたいな零細な会社が行って、果たして相手をしてくれるだろうかと不安でいっぱいでした。
しかし、実際に言ってみたら印象はまったく違いました。中国は日本とは違って会社対会社の肩書き重視の社会ではなく、人対人の非常にウェットな社会だということに気付きました。会社の肩書きなどなくても、相手の懐に飛び込んで「この人と仕事をしたい」と思われれば、その後は自然に仕事につながります。中国では従業員100人以上いるような会社でも、私を「パートナ−」として見てくれるのです。これはものすごく新鮮でした。

インタビュアー:

なるほど。日本と中国とでは、ぜんぜん考え方が違うのですね。そして、福田さんは3年前からベトナムとの関係も持ち始めるのですよね?

福田:

はい。そうです。中国でのオフショア開発を2年くらい進めたところで、いくつか問題に突き当たりました。
1つは中国のインターネット規制、もう1つはコストアップです。中国のインターネット規制が年々厳しくなり、当初は使えていたDropbox(クラウドのファイル共有サービス)が中国国内で使えなくなってしまいました。これにより、開発チームとの情報共有や連携が非常にやりにくくなってしまったのです。
もう1つがコストです。中国の経済発展はものすごく早く、年々コストアップしていき、なかなか利益が出しにくい状況になってきました。そんなとき、ふと天啓がひらめいたのです。「ベトナムに行ってみよう」と。

インタビュアー:

天啓ですか(笑)。ベトナムの会社はどのようにして見つけたのですか?

福田:

特につてはありませんでした。ちょうどお台場のビックサイトで展示会が開かれ、そこにベトナムの会社も出展するらしいという情報が手に入ったので、展示会に行って関係を作ることにしました。展示会が5月。その翌月の6月にはベトナムのハノイに飛んでいました。

インタビュアー:

早いですね(笑)。はじめてベトナムに行った印象はどうでしたか?

福田:

とにかくバイクが多いのにはまいりました。アリの大群のように、道路をバイクが走り回っている。バイクが多すぎて道路を渡れないのには、まいりました。展示会で知り合った会社を何社か訪問しましたが、どこも温かく歓迎してくれて、中国と同じような雰囲気を感じました。この国も中国と同じように肩書きだけで人を判断するわけではないのだなと、安心しました。

インタビュアー:

そこからベトナムでのオフショア開発が始まって、今に至るわけですね。

福田:

そうです。もうハノイには10回くらいは出張で行っています。

インタビュアー:

これまでオフショア開発をやってきて、いかがでしたか?

福田:

オフショア開発は大企業がコスト削減のために行うものだとずっと思っていましたが、自分がやってみるとまったく違いました。コスト削減のためではなく、むしろ自分の会社がやれることを広げるためにオフショア開発が使える事に気付きました。小さな規模で会社をやっていると10人規模の開発を行うのはなかなか難しいです。まず10人のエンジニアを集めるのに苦労します。しかし、オフショアのネットワークを使うと10人・20人のチーム編成がそれほど苦労せずに行うことができます。これまで自分の限界と思っていたところを簡単に飛び越えていくことができます。オフショア開発は小さな会社の手足を伸ばす、エンパワーするものだと今は思っています。

インタビュアー:

オフショア開発を活用されて、かなり変わられたのですね。

福田:

はい。いま、色々な人にオフショア開発の可能性を伝えていきたいとも思っています。 小さい会社の人が「リソースが足りない、足りない」と嘆いているのを聞きますが、そういう会社こそオフショア開発に 果敢にチャレンジしてもらいたいと思っています。

インタビュアー:

本日はありがとうございました。

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